nyfintechのブログ

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FinTech 企業紹介:消費者とブローカーをつなぐAPIを提供するTradeIt

 

総合マーケット情報を提供するYahoo Financeの発表によると、今後Yahoo Financeのユーザーは自社の Yahoo Finance のiOSのアプリを通じて、仮想通貨を取引できるツールを開発した。ニュースリンク

ユーザーは、ビットコインやイーサリアムなど4つの仮想通貨をアプリ上で取引することができるようになる。ユーザーは、仮想取引交換所のCoinbaseのアカウントを持っている必要があるが、わざわざCoinbaseのアプリ上から取引をする必要がなくなり、Yahoo Financeアプリ上で価格情報やチャートなど基本的な分析をし、そのまま取引まで行うというストリームラインなワークフローが可能になった。

これを可能にしたのは、アプリ開発者に対して、API (Application Platform Interface)を提供する TradeITである。すでにCoinbaseと自社APIを使用して繋がっていたTradeItがYahoo Financeに対して自社のAPIを使用してもらうことで、 Yahoo Finance上での、取引前分析から実際の執行までの流れを繋げることが可能となった。その他にもFOREX.com為替取引プラットフォームとマーケットの売買タイミングを提供するTrigger Finance を繋げて、個人投資家による為替市場の分析、取引のフローを効率化させるなど、下記の複数のオンラインブローカーと様々なアプリを繋げることができるようだ。

 

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こういった他のアプリ(特にモバイル)とオンラインブローカーを繋げることのできる APIを提供する意味は大きい。

 

まず、第一にオンラインブローカーの視点からすると、取引量の増加につながるだろう。金融商品を取引する際に、現在の価格、取引量、ニュース、分析ツール、他者の意見など様々な情報を基に判断・執行する。 オンラインブローカーのアプリからのみではなく、他のアプリからも取引を可能にすることで、カスタマージャーニーの改善にもつながり、今後の取引量増加につながる可能性が多い。

 

また、第二にアプリデベロッパーの視点からすると、TradeITのようにすでに複数のブローカーとパートナーを組んでいるAPIを使用することで、それぞれのブローカーとのAPIを使用する手間が省ける。また、こういったブローカーとのアクセスを持つことによって、アプリの価値を上げることができるだろう。