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FinTech 企業紹介:学生ローンにROIの指標を取り入れた Climb Credit

米国で生活するにあたって、クレジットスコア(FICO Score) は非常に重要だ 。

クレジットスコアは、「クレジットヒストリー」(クレジットカードの支払い、ローン 、携帯電話、公共料金、家賃などの利用や返済の履歴)をベースに算出される個人の信用力を測る指標であり、この良し悪しによって、 マンションの入居、住宅ローン、銀行口座の開設など断られるケースもある。学生ローン(Private Student Loan)もFICO Scoreをベースに審査をされ、平均でも650程度のスコアがないと借りることができないケースがあるそうだ。

 

2014年に、創業したClimb Creditは、そうした十分なクレジットスコアを持たない学生に対し、簡単に、素早く、そしてより低利率でローンを貸し出している。クレジットスコアの代わりに彼らが使用しているのは、 学生が通う大学(現在約70の大学と連携)やプログラムが、どれくらいの卒業率・就職率を持つか、そして初年度の給料やどれくらいの給料の上昇率が望めるかなどのデータである。こういったデータをベースにローンのROIを計算し、Returnの望める学生にのみ融資をしている。

 

米国では、大学卒業後、学生ローンで借金漬けになる学生が多く大きな社会問題となっている。Climb CreditのようにROIの高い大学やプログラムのみにローンを提供するという試みは、学生だけではなく大学に対しても彼らの授業内容やプログラムを見直す、いいきっかけになるのではないだろうか。